うめさん           ~リフレーミングは愛に気づく事~

前職ヤクルトで、レディさんと同行するのが好きだった。

レディさんとお客様の暖かな会話、笑顔を見ると、なんとも幸せな気持ちになるし、大好きなヤクルトのお話も出来る。

そんな同行をしていたある時、
とある豪邸の前で、
レディさんから
「こちらのお客様は、とても堅い方で、あまり話さない方なんです。」
と説明があった。
息子夫婦はどちらもお医者さんで忙しく、いつも1人でいらっしゃる70代の奥様だそう。
もちろん、お話するのを好まないお客様はいる。

1人ひとり違うお客様の気持ちに寄り添うレディさんには、いつも頭が下がる。

レディさんの後に続く。

大きな門、素晴らしい前庭を眺めながら歩く。

「おはようございます!
ヤクルトの〇〇です。」

レディさんは朗らかに挨拶をして、お客様の体を気遣いながら笑顔で手際良くいつもの商品の受け渡しを終えた。

事前情報のとおりニコリともせず、硬い表情のお客様に、私は、さてどうしたものかと思ったが、
まず、日頃のお礼を言いにきたことを話して、自己紹介をした。
そして、
お名前を教えて頂けますか?
と、聞いた。

名前から話題が広がることが多く、その頃、私はよく相手の名前を聞くことから会話を始めていた。

「名前?
ウメよ。
平凡な名前でしょ。
2月生まれだったから、適当につけられたのよ。

上にもう7人兄姉がいたから、もうどうでも良かったんじゃないかしら。」

どうやら、ご自身の名前には良い印象がないらしい。
でも、本当にそうだろうか?

私には違う景色が見えた。

「上に7人ご兄姉がいらっしゃるんですね。ウメさんは末っ子なんですね。
きっと、ウメさんが生まれた時、
お父さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん、ご家族が皆、お母さんのそばに集まって、
生まれたばかりのうめさんの顔を覗き込んで誕生を喜んだことでしょうね。

どんな名前が良いか、家族で賑やかに相談している情景が浮かびます。

満開の梅の花をバックに、ウメっていう名前が良いねって

ウメさんを囲んで家族みんなが笑っている景色が見えるようです🌟

そうしたら、

ウメさんが初めてニッコリ笑った。

そして、入ってきた時の前庭の素晴らしさに触れると、

中庭も見ていく?と聞いて下さって、レディさんと二人、手入れの行き届いた中庭も案内して頂いた。

帰り道、
「中庭に誘われたのは初めて✨
と目を輝かせるレディさん。
「綺麗なお庭だったねー」

私も相槌を打つ。

きっとウメさんは、これから、
自分の名前を想う度に、
生まれた日の本当の情景を思い出すのかもしれない。
【生まれた時、

どんな景色が見えましたか?】

♯過去書き換え
♯名前書き換え
♯リフレーミングは愛に気づくこと
♯ホスピタリティ

Follow me!